<<保護メガネ>>
使用環境・条件
眼保護具には遮光保護具、保護メガネ、レーザー用保護メガネがあり、顔面保護具には溶接用保護面、防災面、防熱面があります。
作業環境、作業内容に合った保護具を使用しましょう。
眼保護具の使用環境・条件
使 用 環 境 ・ 条 件 |
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眼保護具 | 遮 光 保 護 具 | 眼に対して有害な紫外線、強烈な可視線、赤外線(以下、有害光線とします)が生ずる作業及び場所。 |
保 護 メ ガ ネ | 浮遊粉じん、薬液飛沫、飛来物などが発生又は発生するおそれがある作業及び場所。 | |
レーザー用保護メガネ | レーザー放射の拡散反射する場所及び直接のレーザー放射露光を受けるおそれがある作業及び場所。 |
顔面保護具の使用環境・条件
使 用 環 境 ・ 条 件 |
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顔面保護具 | 溶 接 用 保 護 面 | 溶接、熱切断などにより、有害光線、スパッタなどが発生する作業及び作業及び場所。 |
防 災 面 | 顔に損傷を与えるような薬液飛沫、飛来物などが発生又は発生するおそれがある作業及び場所。 | |
防 熱 面 | 輻射熱が発生する作業及び場所。ただし、有害光線が同時に発生する場合は遮光保護具の併用が必要。 |
<作業内容と使用保護具>
作業内容 | 保護具 | |
有害光線 |
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遮光保護具 又 溶接用保護具 |
レーザー光 |
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レーザー用 保護メガネ |
飛来物 |
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保護メガネ 又 防災面 |
粉じん |
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保護メガネ |
薬液飛沫 |
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保護メガネ 又 防災面 |
刺激性物質 |
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保護メガネ |
<作業にふさわしい保護メガネの選び方>
作業内容 | 使用目的 | 保護メガネの種類 |
切削・はつり・砕岩・打鋲・木工機バフ・鉱山 トンネル・発破・製材重作業等 |
衝撃エネルギーの大きい飛来物を防ぐ 衝撃エネルギーの小さい飛来物を防ぐ |
スペクタクル形(サイドシールド付)・フロント形等 ※防災面との併用を考えてください。 |
グラインダー・木工・製材・刈払・卓上ボール盤 機械操作時等 |
飛来粉じんを防ぐ | スペクタクル形・フロント形 |
グラインダー軽作業・研磨・切削・粉砕 木工軽作業等 |
浮遊粉じんを防ぐ | ゴグル形・スペクタクル形(サイドシールド付) |
セメント・粉木製品などの粉体取扱い 鋳造の砂処理・農薬散布(粉体)等 |
液体飛沫を防ぐ | ゴグル形 |
薬品・溶剤の取扱い及び運搬 農薬散布(液状)塗装・洗浄等 |
溶融金属飛沫を防ぐ | ゴグル形・スペクタクル形(サイドシールド付) ※防災面との併用を考えてください。 |
製鉄・非鉄金属・ガラス工場などの炉前 コークス取扱い・鋳造等 |
ゴグル形 ※防災面との併用を考えてください。 |
<<遮光保護具>>
参考表使用基準(JIS T 8141より)
しゃ光度番 号 | アーク溶接・切断作業・アンペア | ガス溶接・切断作業 |
高 熱 作 業 |
その他の作業 | ||||||
被服アーク 溶接 |
ガスシールド アーク溶接 |
アークエア ガウジング |
溶接及びろう付け(1) | 酸素切断(2) | プラズマジェット切断 アンペア | |||||
重金属の溶接及びろう付け | 放射フラックス(3)による溶接(軽金属) | |||||||||
1.2 | 散乱光又は側射光を受ける作業 | 散乱光又は側射光を受ける作業 |
− |
− |
雪、道路、屋根又は砂などからの反射光を受ける作業、赤外線燈又は殺菌燈などを用いる作業 | |||||
1.4 | ||||||||||
1.7 | ||||||||||
2 | ||||||||||
2.5 | 高炉、鋼片加熱炉、造魂などの作業 | |||||||||
3 | 転炉又は平炉などの作業 | |||||||||
4 |
− |
− |
− |
70以下 | 70以下(4d) |
− |
− |
アーク燈又は水銀アーク燈などを用いる作業 | ||
5 |
30以下 |
70を超え 200まで |
70を超え 200まで(5d) |
900を超え 2000まで |
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6 | 200を超え 800まで |
200を超え 800まで(6d) |
2000を超え 4000まで |
電気炉の作業 |
− |
− |
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7 | 35を超え 75まで |
800を超えた場合 |
800を超えた場合(7d) | 4000を超え 6000まで |
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8 | − | − | − | |||||||
9 | 75を超え 200まで |
100以下 |
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10 | 125を超え 225まで |
− |
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11 | 100を超え 300まで |
150以下 |
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12 | 200を超え 400まで |
225を超え 350まで |
150を超え 250まで |
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13 | 300を超え 500まで |
250を超え 400まで |
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14 |
400を超えた場合 |
350を超えた場合 |
− |
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15 |
− |
500を超えた場合 |
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16 |
注(1) 1時間あたりのアセチレン使用量(ℓ)
(2) 1時間あたりの酸素の使用量(ℓ)
(3) ガス溶接及びろう付けの際にフラックスを使用する場合、ナトリウム589nmの強い光が放射される。
この波長を選択的に吸収するフィルタ(dと名付ける)を組み合わせて使用する。
例:4dとは、しゃ光度番号4にdフィルタを重ねたもの。
備考
しゃ光度番号の大きいフィルタ(おおむね10以上)を使用する作業においては、必要なしゃ光度番号より小さい番号のものを
2枚組み合わせて、 それに相当させて使用するものが好ましい。1枚のフィルタを2枚にする場合の換算は、次の式による。
ここに
N :1枚の場合のしゃ光度番号
n1、n2 :2枚の場合のしゃ光度番号
例 :10のしゃ光度番号のものを2枚にする場合
10=(8+3)-1、 10=(7+4)-1 など
▼ 一口メモ ▼
◆ 遮光メガネとサングラスの違い ◆ | |
遮光メガネは有害光線を防ぐだけでなく、飛来物があっても容易に破損しないレンズ強度を持っています。 また、フレームもレンズが簡単に脱落しないように設計されています。 そして、作業にあわせて選択できる様々な枠形式が用意されています。 サングラスは、紫外線を吸収する能力のあるものもありますが、赤外線を吸収する能力はありません。 また、レンズの強度や枠の設計にも保護具としては問題があります。 遮光保護具を使うような作業場では、遮光保護具の代わりにサングラスを使用することは絶対に禁止してください。
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◆ 有害光線による眼の障害・5種類 ◆ | |
@紫外線 UV-B、C による角膜、結膜への障害 A紫外線 UV-A による水晶体への障害 B青色光による網膜への光化学的障害 C可視線、近赤外線による角膜、水晶体への障害 D近・中赤外線による角膜、水晶体への障害 遮光保護具は、これらの眼障害から作業者の眼を守ります。 |