マグネットの吊り上げ能力は、吊り上げ条件によって大幅に減少します。
リフティングマグネットの選定にあたっては、吊り上げ条件を考慮して決定して下さい。
最大吸着力に安全率を考慮した値を目安として表示しています。(永磁式約1/3、電磁式1/2)
※吊り上げ能力は、吊り上げ条件により大幅に減少しますから、表示している重量を吊り上げることが出来なくなる場合があります。
最大吸着力とは、固定した最良条件の吸着物にマグネット吸着面全面を密着(隙間がない)させ、垂直に引き上げ、剥がれたときの吸着力の値を表示しています。
※最良条件の吸着物(材質:SS400相当、吸着表面:▽▽▽面、板厚:充分に厚い)
①材質・板厚・表面状態(空隙)スケール、ゴミ及びたわみ(そり)等による空隙
②吊り状態(バランス)
③マグネットの吸着面積等
上記の条件により吊り上げ能力は、大幅に減少します。下記の図・表を参照して下さい。
上記の条件により吊り上げ能力は、大幅に減少します。下記の図・表を参照して下さい。
吊り上げ条件による吸着力の変化
吸着力は吊り上げ物の板厚、材質、吸着面の状態(黒皮、切削、研削面等)、吸着物との空隙、電磁式ではコイル発熱による吸着力の変動があります。
① 板厚による吸着力特性
※板が薄くなれば、吸着力は減少します
マグネットの大きさが小さい程、または極性のピッチが小さい程、比較的薄い板厚で飽和します。
② 空隙による吸着力特性
※マグネット吸着面と吸着物との空隙が大きくなる程、吸着力は減少します。
電磁式の小型マグネットや永磁式マグネットでは空隙に対して極端に吸着力が減少します。
③ 材質による吸着力特性
※吸着力の表示はSS400を基準として示してあります。
④ 吸着物の表面状態による吸着特性
⑤ 電磁式の場合のコイル発熱による吸着力の低下
吸着力は冷時を100%として表示しています。
通電時のコイル発熱による起磁力の低下から、吸着力が減少します。
この減少率は、使用時間や、マグネットの大きさによって異なってきますが、概略10~20%位となります。
吊り上げ、搬送方法
- 吸着物が、吊り上げ条件を考慮して吊り上げに無理がないか確認して下さい。
- マグネット吸着面及び吸着物吊り上げ面のゴミ、突起物を除去します。
- 吸着物の重心にマグネットを下ろし、マグネットをONにします。
(ON-OFF機能が付いているマグネットで、ON状態のまま、吸着物に吸着させないで下さい。) - 吸着物がわずかに浮いた状態で、ウレタンハンマーなどでたたく等安全を確認して下さい。
- 吸着物の吊り上げ開始より、確実に所定の場所に下ろすまで、吸着物の周辺には近づかないで下さい。
- 吸着物を吊り上げて搬送する場合は、静かに、スムーズに実施して下さい。
- 吸着物を安定した所に下ろしたのち、マグネットをOFFにします。
- 残留磁気(マグネットをOFFにして残っている磁気)により、吸着物によっては外れにくい物がありますので外れることを確認します。
吊り上げ、搬送方法
リフティングマグネットは磁気方式から分類しますと、電磁式と永磁式、および永電磁式に分けられ、形状から分類しますと、丸形と角形、および特殊形に分けられます。
また用途上からも多種にわたっておりますので、選定に当たっては弊社にご相談下さい。
※ご用命の際は、吊り上げ物、使用条件をなるべく詳細にお知らせ願います。